民間の技術者や学生は、志があっても実践的な学習の場が少なく、公的機関の研修は対象者が限られがちです。また、一度専門家として社会に出ても、その後は研鑽を積む機会が少なく、情報交換などをしづらいという状況があります。わたしたちは、こうした要望に応え、社会に広く門戸を開き、学びの場を提供しています。
東日本大震災以降、文化財レスキューへの派遣事業は、JCPの活動の大きな柱のひとつです。「専門技能を持って、プロジェクト遂行に協力できる個人」である登録会員を、現場の求めに応じて派遣しています。
東日本大震災時に文化庁が設置した「東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援委員会」の要請により、東京国立博物館保存修復課の指導監督の下、岩手県陸前高田市立博物館被災文化財の調査に参画。初動時の第一次レスキューに人材を派遣しました。
現在は、第二次レスキューとしての処置を復興予算で受託。分野は、拓本、書籍、水彩画・油彩画、民俗資料、地籍図、写真…など多岐にわたります。
文化財の保存修復活動は、専門家のみならず、多くの一般の方々に支えられて行っています。
一般会員の方でも、ボランティアとして活動に参加できる場合もあります。
JCPプロジェクトに専門的技能を持って協力をする会員は、予め専門分野や主な実績などを申告し、JCPのデータベースに登録。事務局が、派遣の要請に応じて適切なスタッフを選出し、チームを形成します。
求められる能力や資質は、スタッフのステータスによって異なります。チームメンバーには専門的な知識や技術、リーダーには社会経験や応用力も求められます。
NPO JCPの活動理念に賛同している
派遣地域の文化に敬意を持ち、適応できる柔軟性を有する
チームワークでの修復活動に適応できるコミュニケーション能力を持つ
文化財修復について、教育機関ないし工房にて学習している
5年以上の社会活動を有することが望ましい。また、基本的な修復教育を教育機関ないし工房において習得している
世界共通認識としての修復理論をわきまえ、それに基づいた技術と材料を選択できる応用力・判断力を有する
JCPでは、文化財の専門家である講師陣と世界の文化遺産をめぐるスタディツアーを各年で企画。訪問国の文化財担当者とも交流いたします。
スタディツアーは、一般の方も参加することが可能です。JCP会員は、参加費を優遇いたします。
まずは「知ること」からはじめてみませんか?
JCPでは、わたしたちの活動、文化財の保存修復に関連するイベントや研究会の情報を発信しています。
それらを周りの方へ伝えていただくことで、文化財の保存修復活動を少しでも多くの人に広めていただけましたら幸いです。
文化財の保存修復活動に参加しませんか?ぜひ、会員になってJCPの活動を支えてください。
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