当機構が文化財の修復事業を依頼された場合、文化財保護の観点に立ち、予算、目的などの状況に応じた方法で事業を推進していきます。

1. 文化財保存修復活動
文化財の修復依頼には、中核メンバーである専門家が、日本全国の会員の中からもっとも条件に合う技術者や工房を選定し、監修を行います。このことで、技術的にも経済的にも適切な修復を推進いたします。
2. 保存修復相談
文化財所有者のほとんどは、「修復や保存方法について、どこに相談したらよいかが分からない」という悩みを抱えています。そんな方々へ保存方法をアドバイスしたり、適切な技術者を紹介したりするなど、情報を提供いたします。
3. 保存事業の修理設計
専門家が、適正見積もりや適正仕様の設計をお手伝いします。
4. 文化財のコンディション調査
過剰な予算をかけずに文化財の延命を図るため、文化財の健康診断(調査)を行っております。取り返しがつかなくなる前に、日ごろから文化財の状態をチェックし、必要最小限の処置を行うことが大切です。
災害によって破損した資料だけではなく、日常的な保存管理・修復のご相談も承っております。基本的に登録会員の技術者の中から適合する技術者、工房を選んでご紹介します。ご依頼者側が法人で請けてほしい場合や、個人技術者で契約のやり取りなどが難しい場合などは、NPOJCPとして修復を請け負うこともあります。
当機構に寄せられるご相談は半数以上が個人の方からで、他には博物館や美術館、学校、会社、自治体、神社、寺院などからとなっています。掛軸、絵画、屏風や衝立、仏像、人形、タペストリーや旗、縄文土器、現代美術、神社の狛犬など、さまざまな資料についてお問い合わせがあります。近年は戦災資料の劣化防止についてのご相談も増えつつあります。
修復以前に「修復する価値があるかどうか鑑定してほしい」というお問い合わせも多いのですが、当機構では金銭的な価値を定める鑑定はしていません。逆に、「価値の有無にかかわらず、自分(家)にとって大事なものだから修理したい」というご相談を受けることもあります。家に代々伝わったものだから、思い出があるから、身近な人の遺品だから、金銭的な価値がなくても、その人にとっては宝物。そういうものも当機構では文化財として対応しています。
「飾れるようにしたい」「できるだけ長く保存したい」「日常管理のアドバイスがほしい」等々、文化財についてご相談がありましたら、お問い合わせフォームからご連絡ください。
令和元年台風19号により浸水被害を受けた川崎市市民ミュージアム収蔵品に対し、川崎市からの要請によりレスキューにあたっています。その後、日本画・油彩画等の本格的な保存修復を請け負い、2026年現在も継続中です。
「川崎市市民ミュージアム被災収蔵品レスキューの記録」のサイトもご参照ください(川崎市市民ミュージアムのwebサイトへリンク)。
当機構のコメントはこちら
https://www.kawasaki-museum.jp/rescue/rescue_archive/22185/
陸前高田市立博物館は、東日本大震災で発生した津波により全壊し、全収蔵品56万点が流失・水損しました。NPOJCPは東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援委員会の要請により、2011年(平成23年)、東京国立博物館と共に収蔵資料の救援活動に赴きました(※1)。様々な団体からなるボランティア活動により、収蔵品のうち46万点がレスキューされ、現在も安定化処置(※2)や失ったデータの再構築などの保存修復作業が続けられています。
当機構では、石碑の拓本や書跡、絵図、地籍図、アクリル画・油彩画、水彩画・版画、写真の安定化処置および、漁撈用具を中心とした民俗資料の実測図等基本データの再構築を行っており、2020年度までに延べ約2700点の作業が完了しています。
※1 発災直後の対応についてはニュースレターNo.24をご覧ください。
※2 安定化処置:洗浄、脱塩、カビの除去など、劣化を防いで安定的に保存できる状態にするための処置。
2002年5月、愛知県美術館からの委託により所蔵作品のコンディション調査、応急処置指導を行いました。会員である現地の技術者の参加により技術交流も行いました。
2002年7~9月・11月に、東京文化財研究所からの委託により、韓国国立中央博物館に所属する保存の研修員に対し日本側が行ってきた壁画の技術を伝達し、技術交流を行いました。
2001年、岐阜県美術館からの委託により収蔵品のコンディション調査を行いました。